過敏性腸症候群

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　現在のストレス社会を反映し、下痢・便秘などの便通異常を訴える患者さんは増加しています。その代表的な疾患として過敏性腸症候群があげられます。過敏性腸症候群はがんや潰瘍などの器質的疾患がないにもかかわらず、腸が正常に機能しない疾患です。その罹患率は全人口の10〜20％、下痢や便秘で胃腸科等を受診する人の40〜70％といわれています。
　ストレスで腹の調子が悪くなることは皆さんも良くあることと思いますが、過敏性腸症候群ではその傾向が強く、脳と腸のそれぞれの機能に深い関係があることがわかっており、これを脳腸相関といいます。
　過敏性腸症候群ではストレスに対し過敏に腸が反応し、腸の運動異常を引き起こします。腸の運動異常により腹痛が生じ、この腹痛がさらにストレスを増幅させるという悪循環を形成します。したがって過敏性腸症候群の治療ではこの悪循環を断ち切ることが重要です。そして適切な治療薬の服用により下痢・便秘が改善し正常な便通が得られるようになります。

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